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残業代が30分単位でしか支給されないのは違法? 弁護士が回答します

2020年01月14日
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残業代が30分単位でしか支給されないのは違法? 弁護士が回答します

不正に裁量労働制を適用して残業代を支払わなかったとして、東京の建設事務所が中央労働基準監督署から是正勧告を受けたことが平成30年9月に新聞報道されました。

さまざまな理由を用いて残業代を支払わずに済まそうとする企業は後を絶ちません。もしも、勤めている会社が30分単位でしか残業代をつけていないとしたら、不審に思うのは当然でしょう。そこで、残業代のつけ方が違法かどうかや、30分単位未満の残業代について未払い請求できるのかなどについて、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスの弁護士が解説します。

1、残業代30分単位は違法か?

1日30分単位未満の残業も合わせると長時間になることもあるので、この端数が切り捨てられていれば不満に思うのは当然です。では、30分単位で残業代を計算することが違法かどうかを解説していきましょう。

  1. (1)1日あたり30分単位での残業代は?

    たとえ1分であっても時間外の労働であることは変わりません。したがって、毎日の勤務時間の5分単位や30分単位の端数を切り捨てすることは、労働基準法違反になります。

    したがって、30分単位未満を切り捨てることはもちろん、30分単位での支払いも違法です。

  2. (2)1ヶ月あたり30分単位の残業代は?

    残業時間について端数が生じた場合の処理については、1カ月単位での計算が原則です。給与は1カ月分の労働に対して支給するのが原則であるため、その通算の時間について端数処理を行うように定められています。原則的には、1ヶ月の残業時間の「合計」から残業代を計算するケースのみ、端数にあたる30分未満は切り捨て、30分以上を切り上げることが認められています。ただし、この端数処理は、1カ月の残業時間の合計処理の際のみに限られ、毎日の記録についての端数処理は許されていません。

    【賃金計算としてする場合】
    賃金計算において、1円未満の端数が生じた場合は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げ算出します。

2、適正な残業代をもらうためには?

30分単位の残業代支給というシステムを変えてもらうには、どうすればいいのでしょうか。

  1. (1)自分でできること

    まずは、ご自身の会社に対して、残業代の計算の仕方がおかしいのではないかと相談してみてください。会社の就業規則、雇用契約条件に関係なく、労働基準法で定められた残業代は受け取ることができます。気後れすることなく交渉してみましょう。

    その際、雇用契約書、給与明細、勤労時間記録、就業規則などの資料を準備して交渉することをおすすめします。タイムカードなどの資料は、コピーを提出して、オリジナルは必ず手元に保管しておいてください。会社にとられて戻ってこないことが、往々にしてあるからです。

  2. (2)相談先は?

    もし、30分単位未満の未払い残業代についての証拠コピーを提出したにもかかわらず、会社が残業代を支払わない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は労働基準法違反を犯している会社を監督する国の機関です。労働基準監督官は会社が労働法に違反していないかを調べるために強制的に会社に立ち入り調査する権限を持っています。また、会社が法律違反をしていることが判明すれば、司法警察官として逮捕、送検することができる権限を持っています。

    証拠によってあなたの会社が労働基準法違反をしていると判断された場合、労働基準監督署から是正勧告(警告書)など、会社に行政指導してもらうことができるはずです。労働基準監督署からの行政指導に従わないことは、会社にとって労働基準法違反になるリスクがあるので、会社は真剣に対応してくれるでしょう。残業代の未払いは明確な法律違反です。そして、これには厳しい罰則の規定もあります。

    また、残業代を取り戻したいというときは、弁護士に相談するのがベストです。弁護士であれば、あなたの代理人として未払い分の残業代を取り戻すための交渉を行うことができます。

  3. (3)相談をするときの注意点

    労働基準監督署に相談に行く前に気をつけることは、きちんと証拠をそろえていくことです。労働基準監督署では多くの相談を受けています。多数の相談のうち、ご自身の案件を優先的に取り上げてもらうためには、「証拠がそろっている申告」であることを、はっきりと伝えることが重要です。

    ただし、労働基準監督署は会社の法律違反を取り締まることを目的とした機関です。個人の未払い残業代を取り戻すために交渉してくれるわけではありません。あなたが持つ法的な権利を確定させたり、時効の進行を止めたりする場合には、別の手続きを取る必要があります。

    また、相談へ行く労働基準監督署の場所にも注意が必要です。あなたがお住まいの地域にある労働基準監督署ではなく、会社を所管している労働基準監督署へ行く必要があります。

3、30分単位未満の残業代請求は可能?

残業時間は原則として1分ごとに計算することが必要です。したがって、30分単位未満の残業代は請求できます。ただし前述のとおり、残業時間を1分ごとに計算した上で1ヶ月の残業時間に30分単位未満の端数が出るときは、30分単位未満については切り捨てて計算してもよいことが行政解釈上認められています。その点は注意してください。

  1. (1)残業代請求の手順

    【内容証明郵便送付】
    証拠がそろったら、内容証明郵便を使って会社に残業代請求通知を送りましょう。残業代請求通知には未払い残業代の額を明らかにし、期限を設定してその期間内に支払いをするように記載します。会社に「届いていない」と主張されることを避けるためにも、内容証明郵便を送付する際には配達証明をつけることをおすすめします。

    【労働基準監督署】
    その後、会社と話し合いをしても、残業代の支払いにまったく応じてもらえず、労働基準監督署に指導をしてもらっても会社が応じないこともあります。労働基準監督署に和解のあっせんをしてもらい、使用者と話し合いをすることも可能ですが、それでも不調に終わることもあります。

    【労働審判】
    労働基準監督署を通じた和解が難しいときは、労働者と会社側の紛争解決を目的とした「労働審判」の申立てを検討してください。「労働審判」は原則として3回以内の期日で解決が図られるため紛争を早期に解決することができる制度です。なお、労働基準監督署に相談せずに、いきなり裁判所に労働審判を申し立てることも可能です。

    労働審判では、労働審判官と労働審判員の関与のもと労働者と会社側が話し合います。双方の意見が一致せず合意ができない場合には、労働審判委員会が審判によって結論を出してくれます。

    労働審判は訴訟よりも簡易な手続きですが、労働審判独自のルールがあることから、ご自身で手続きを進めるのは困難でしょう。弁護士に依頼すればスムーズに手続きを進めることができます。

    【訴訟】
    労働審判を利用しても、お互いに納得する結論に合意ができず、解決に至らなかった場合は、訴訟による残業代請求へと移ります。なお、労働審判を経ずに訴訟を起こすことも可能です。裁判所が労働者側勝訴判決を出せば、未払い残業代を会社に支払ってもらう権利が確定します。

  2. (2)残業代請求の注意点

    労働基準法第115条は、残業代を含む賃金は「2年間請求を行わない場合、時効によって消滅する」と規定しています。したがって、未払い残業代請求は労働者の正当な権利ですが、請求できるのは遡って2年分です。

    時効によって請求できる金額が日々減少してしまうため、早期に行動を起こす必要があります。残業代請求権は2年で時効になるものの、内容証明郵便を会社に送ることによって時効を中断させることも可能です。早期に対応するためにも、まずは弁護士に相談してください。

    また、未払い残業代が遡って支払われると社会保険などの金額も変わります。これは会社側が再計算してくれるでしょう。

4、未払いの残業代請求を弁護士に依頼するメリット

30分単位未満の未払い残業代を請求するときには、正確に残業代を計算し、会社側との交渉もし、交渉が成立しなければ、裁判所を通じた手続きをしなければなりません。このような手続きを、法律知識の乏しい個人が進めていくことは非常に困難です。また、個人で交渉をしても会社側が相手にしないケースは少なくないでしょう。

会社側が何らかの理由をあげて残業代がないと回答したときは、契約書などの確認が必要となります。しかし、あなたが労働基準法上における労働者という立場であれば、残業代が発生しているケースが多々あります。したがって、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。会社側から残業代をごまかされずに済む可能性が高まるでしょう。

5、まとめ

未払い残業代に関する問題を解決したいときには、その目的によって相談先が異なります。労働基準監督署は労働に関する問題について相談すると、違法性がある場合は会社側に勧告や指導をしてくれます。一方、弁護士へ依頼すると、未払い残業代を受け取るために、交渉、労働審判、訴訟といった具体的なアクションを起こしてもらえます。

30分単位未満の残業代未払いについて悩んでいるのであれば、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスで相談してください。労働問題に対応した経験が豊富な弁護士が全力を尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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