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捜査関係事項照会書が送られてきた! 正しい対処法を弁護士が解説

2021年01月25日
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  • 捜査関係事項照会書
捜査関係事項照会書が送られてきた! 正しい対処法を弁護士が解説

警視庁が公開しているデータによると、令和元年中に認知された刑法犯の件数は10万4664件でした。そのうち3万4309件が検挙にいたったので、警視庁全体での検挙率は約32.8%となります。

犯罪事件のおよそ3分の1が検挙にいたっていますが、なかには「どこの誰が犯人なのかも分からない」という事件も少なくありません。それでも警察が被疑者を特定して検挙に結びつけている背景には「捜査関係事項照会書」によるものが大きいといえます。

捜査関係事項照会書は、簡単にいえば「警察からの情報提供の要請」です。一般の企業や団体がさまざまなデータを保有している現代社会においては、照会によって得られるわずかな手がかりが捜査を大きく進展させる可能性もあります。

とはいえ、いくら犯罪捜査のためという大義名分があっても、自社が保有する情報を「警察からの要請」というだけでむやみに開示しているとトラブルに発展してしまうのではないかと不安に感じてしまうでしょう。

このコラムでは、捜査関係事項照会書の仕組みや法的根拠、照会に対する正しい対応について、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスの弁護士が解説します。

1、捜査関係事項照会書とは?

「捜査関係事項照会書」は、警察から発出される情報開示の要請文書です。

もちろん、警察が捜査のために必要だからといって、特別な根拠もなしに情報開示を求めることはできません。まずは、捜査関係事項照会書の法的な根拠に触れながら、照会の方法について解説します。

  1. (1)捜査関係事項照会書の法的根拠

    捜査関係事項照会書をみると、必ず「刑事訴訟法第197条2項によって」という一文が表記されています。これが捜査関係事項照会書の法的根拠です。

    【刑事訴訟法第197条2項】
    捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。


    犯罪捜査においては、役所や一般の民間企業が保有するさまざまな情報を必要とする場面が多数あります。警察には刑事訴訟法第197条2項を根拠に情報開示を要請できる権限が認められているので、捜査関係事項照会書による照会そのものは適法です。

  2. (2)捜査関係事項照会の方法

    刑事訴訟法には明文化されていませんが、捜査関係事項照会は書面によって行われることが一般的です。つまり、電話での問い合わせや訪問による聞き込みは、捜査関係事項照会として適切な方法ではありません。

    捜査関係事項照会は、捜査を管轄する所属長の名義で行われる公的な手続きです。
    身分を確認できない電話での問い合わせや、所属長の意思が確認できない聞き込みは、捜査関係事項照会というよりは一般的な捜査活動であると考えておきましょう。

  3. (3)捜査関係事項照会と個人情報保護の関係

    個人情報保護法は、個人情報の取り扱いについて利用目的による制限を課していますが、その制限の例外として、「法令に基づく場合」を挙げています(法16条3項1号)。そして、同法のガイドラインによると、「法令に基づく場合」の一例として、「警察の捜査関係事項照会に対応する場合」が挙げられています。捜査関係事項照会に応じて、本人の同意を得ずに警察に個人情報を開示しても、個人情報保護法には違反しません。

    ただし、個人情報保護法には違反していなくても、プライバシー保護などの観点からすべて適法になるわけではないことに注意が必要です。

2、捜査関係事項照会書はどんな状況で送られてくるのか?

突然、捜査関係事項照会書が送られてくると、これまでに照会を受けた経験のない担当者の方なら驚いてしまうでしょう。特に犯罪事件に関与したこともないのに、警察署長の名義で堅苦しい文書が送付されてくることに強い警戒心を持ってしまうのも当然です。

なぜあなたの会社に突然、捜査関係事項照会書が送られてきたのでしょうか?捜査関係事項照会書の目的や送付の流れをみていきます。

  1. (1)犯罪捜査の目的でのみ送付される

    捜査関係事項照会書は、前述のとおり、刑事訴訟法第197条2項を根拠に発出される公文書です。条文が「捜査について」と定めているとおり、犯罪捜査を目的として送付される書面なのです。

    つまり、あなたの会社に対する照会は、何らかの犯罪の捜査を進めるにあたって必要と認められた手続きなのです。

    余談ですが、犯罪捜査に関係のない統計調査などの一環として捜査関係事項照会を利用することは違法となります。

  2. (2)警察署からの送付の流れ

    捜査関係事項照会書は、捜査を担当している警察署や警察本部の所属長の名義で発出されますが、実際に発出しているのは捜査を担当している捜査員です。

    所属長から通し番号が入った捜査関係事項照会書を受領し、必要事項を記入のうえで担当課の管理番号をとり、所属長の承認を受けて署印と所属長印の公印を押印することで完成します。

    つまり、通し番号や担当課の管理番号がないもの、署印と所属長印の公印がないものは無効です。

3、捜査関係事項照会に応じる義務はあるのか?

捜査関係事項照会書には、あなたの会社が保有している情報について開示を求める旨が記載されているはずです。しかし、個人情報保護が強化されている現代において、警察からの照会であってもむやみに情報を開示することは不適切だと感じられるでしょう。

捜査関係事項照会書による情報開示の要請には必ず応じなければならないのでしょうか?

  1. (1)回答の義務は課せられていない

    捜査関係事項照会は、あくまでも「任意」の回答を求めるものです。また、捜査機関は、強制力をもって回答を求めることができません。

    とはいえ、単に「情報を開示したくない」という理由だけでむやみに回答を拒否するのもまた適切ではありません。

    警察庁の通達は、捜査関係事項照会の回答義務について、公務所または公私の団体は「国の重大な利益を害する場合を除いて」照会に対する回答を拒否できないという解釈を示しています。

    この解釈に準じると、公務所だけでなく、民間企業においても、特に重大な理由がない限りは拒否できないと考えられます。

  2. (2)回答しなかった場合の罰則

    捜査関係事項照会書への回答を拒否しても、罰則の適用はありません。

    もし、回答を拒否したことによって捜査が進展せず事件解決が成し遂げられなかったとしても、刑罰をはじめとした何らかのペナルティを受けることはありません。

  3. (3)安易に回答すると訴訟に発展するおそれがある

    警察からの照会だからといって、安易に回答しているとトラブルに発展してしまうおそれがあります。照会対象となった人物から抗議を受けてしまい、場合によっては情報漏洩などの責任を追及されて訴訟に発展してしまう事態も予想されます。

    捜査関係事項照会書に記載されている照会事項のすべてを漫然と回答するのではなく、回答可能な範囲であるのか、厳正な管理を求められている情報ではないのかを十分に精査したうえで回答するのが賢明です。

4、捜査関係事項照会に応じるべきケース

捜査関係事項照会に応じるか否かはあくまでも任意なので「一切応じない」という対応を取ることも違法ではありません。

ただし、次に挙げるようなケースでは、可能な範囲で照会に応じるべきだと考えられます。

  1. (1)照会の対象が犯罪の被疑者である場合

    照会の対象が「犯罪の被疑者」である場合は、事件解決に協力するという社会的道義の観点から、可能な範囲で照会に応じることが望ましいでしょう。

    逆に、照会対象である人物が多数にわたり、犯罪に直接の関係がない人物の情報までも得ようとする照会については、回答するべきではありません。

    照会対象が犯罪の被疑者であり、事件解決のために会社が保有する情報が必須である場合は、回答を拒否したとしても、会社の捜索差押えが実施される可能性があります。捜索差押えは令状に基づいて行われる強制的な捜査ですので、拒否することができません。

    捜索差押えを受けると通常業務に悪影響が出ることも考えられるため、むやみに拒否せず回答した方が負担を軽減できるでしょう。

  2. (2)照会の内容が容易に回答できる事実である場合

    捜査関係事項照会書に記載されている照会の内容が、自社が保有している情報のうち、容易に回答できる程度のものであれば回答しても差し支えないでしょう。

    反対に、照会内容が新たに調査を要するようなものであったり、本来は鑑定などによって証明されるべき内容であったりする場合は、「回答できない」としてもよいでしょう。

  3. (3)警察から十分な説明があった場合

    捜査関係事項照会書の送付とあわせて、警察から照会にいたった経緯や照会の必要性の説明があり、自社への照会のほかに代替手段がないと認められれば回答する方が適切です。

5、まとめ

捜査関係事項照会書は、警察が犯罪捜査において必要と認めた場合に送付されるものです。

会社が保有する情報について可能な範囲で情報を提供することは個人情報保護法に照らしても適法な行為ですが、顧客や会員などからプライバシー侵害などを理由に訴訟を起こされてしまうおそれがあります。

照会事項のすべてを安易に回答するのではなく、捜査関係事項照会書によって回答できる範囲、回答できない範囲をあらかじめ決めておき、利用規約や会員規約などに盛り込んでおくなどの整備が重要です。

捜査関係事項照会書の送付を受けたがどのように対応すればよいのか判断できない、回答できる範囲についてアドバイスを求めたいとお悩みであれば、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスへご相談ください。回答の可否や回答できる範囲についての適切なアドバイス提供だけでなく、顧客や会員とのトラブルに発展しないための予防法務を務める顧問弁護士サービスも提供しています。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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