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生活音が原因で騒音トラブルに発展! 騒音の法的な責任やトラブル時の相談先

2020年12月10日
  • 個人のトラブル
  • 騒音トラブル
生活音が原因で騒音トラブルに発展! 騒音の法的な責任やトラブル時の相談先

新宿区の発表によると、騒音に関する苦情受付件数は、平成26年度には85件でしたが、平成30年には125件にまで増加しました。

また、新型コロナウイルスの流行によって、自宅にいる時間が増えたことで、前年よりも多く、騒音トラブルが発生しているようです。

隣人による騒音で悩むこともあるはずですが、もし、あなたの家庭から発する生活騒音が原因でトラブルに発展した場合、法的な責任は生じるのでしょうか?

生活騒音トラブルで、まず確認したい音の原因や取るべき対応について、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスの弁護士が解説します。

1、何が音を発生させている? 騒音トラブルの原因

住人同士の騒音トラブルは、「生活騒音」が原因であることがほとんどです。また、マンションなど共同住宅では、建物の構造によって騒音が発生していることもあります。

騒音トラブルになりやすい音や行動について確認していきましょう。

  1. (1)ドアの開閉や会話などの生活行動に伴う音

    ドアの開閉や家族との会話、室内の歩行などの行動は、音を発生させます。

    特に、幼い子どもがいる家庭では子どもが走り回る音や笑い声・泣き声が発生することも当然ですが、周囲の住民にとっては騒音だと感じやすいでしょう。

  2. (2)オーディオや楽器の音

    オーディオを使って音楽を聴くことが趣味、家にいるときはテレビをつけっぱなしにしている、という方もいるでしょう。テレビやオーディオ機器から発する音、楽器の演奏音は、室内にいれば心地よくても周囲の住民にとっては騒音ととらえられがちです。

    特に、楽器の音は一戸建て住宅でも騒音として問題になりやすく、防音設備がない住宅で楽器を演奏しているとすぐに苦情を受けることになるでしょう。

  3. (3)洗濯機や掃除機などの家電製品や設備による音

    マンションなどへの入居時に、「夜間は洗濯機や掃除機を利用しないように」と案内されたことがある方もいるでしょう。

    洗濯機や冷蔵庫などの大型家電製品は、床面に設置しているため使用時に振動音がします。掃除機は動作音のほかにもノズルが床にあたる音が生じるので、周囲からは騒音ととらえられやすいでしょう。

    また、トイレや風呂を使用したときの排水音や、水道管が鳴り響く「ウォーターハンマー現象」など、設備上の問題による音も、騒音として捉えられます。

  4. (4)自動車やペットなどによる音

    自動車やバイクの空ぶかしや運転前の暖気は、車種や排気量によっては周辺住民に不快を与えます。

    犬や猫といったペットの鳴き声・走り回る音も騒音の原因です。

    また、ペット飼育不可の物件で隠れてペットを飼育していた場合、飼育していることが見つかるとより大きなトラブルに発展しがちです。

  5. (5)建物の構造上の問題による音

    マンションやアパートは、部屋ごとに区切られてはいますが、広くみればひとつのフロアであり、天井・床すべてがつながっています。

    しかも、天井裏・床下には配管が走っているので、騒音は直上・直下・真隣の部屋だけでなく、天井・床がつながっているすべての部屋へと伝播してしまうのです。

    また、まったくの無音では逆に人間の心理上良くないと考えられていることから、そもそも、ある程度の生活音が漏れ聞こえるように設計されていることが多いです。

2、騒音を起こした場合、法的な責任はあるのか

生活騒音は、ある程度まではマナー違反として片付く問題です。ところが、状況や騒音の程度によっては、それなりの責任を問われる事態にも発展するかもしれません。

  1. (1)刑事的な責任

    騒音を規制する法律としては「騒音規制法」が存在しますが、これは工場・事業場・建設工事によって生じる騒音を規制し、自動車騒音の許容限度を定める法律です。つまり、一般市民の生活騒音を規制するものではありません。

    生活騒音そのものを規制する法律はありませんが、生活騒音によって犯してしまう可能性がある法律として、軽犯罪法が挙げられます。

    軽犯罪法第1条14号は「公務員の制止をきかずに、人声・楽器・ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた」場合に該当する犯罪です。

    軽犯罪法第1条14号違反者には、「拘留または科料」の刑罰が科せられます。拘留とは1日以上30日未満の刑事施設における身柄拘置、科料とは1000円以上1万円未満の金銭徴収で、特に重い刑罰ではないといえます。

    ただし、軽い刑罰といっても前科が付くことに変わりはありません。

    そのほか、地方自治体によっては公害防止条例などによって、生活騒音についての規制をもうけていることがあります。

  2. (2)民事的な責任

    騒音が「受忍限度」を超え、騒音が原因で周辺住民に健康被害が発生した場合は、損害賠償請求や差止請求を受けるおそれがあります(民法第709条・710条)。

    受忍限度とは、「我慢の範囲内かどうか」を意味する言葉です。まったく同じ音量でも、音の性質、周囲の環境や騒音を発生させた時間帯、時期、騒音発生防止の措置の有無などによって異なるので、個別の事情に応じて総合的に判断されます。

3、騒音が原因で近隣住民とトラブルが発生したら

近隣住民と騒音問題でトラブルに発展してしまったとき、問題を改善しないまま放置してはいけません。ここでは、騒音問題で近隣住民とトラブルになった場合に注意するべきポイント見ていきましょう。

  1. (1)退去を迫られるおそれがある

    賃貸マンションやアパートに入居している場合、騒音の原因を解消するなど、状況を改善しないと退去を求められてしまうおそれがあります。

    家電製品の下に吸音材を敷く、夜間・深夜の生活音を抑えるなどの努力がないと「誠実な対応をしなかった」と評価されてしまうのです。

  2. (2)近隣へ謝罪の意思を示すことが大切

    あなたの住まいから生じた生活音を近隣住民が騒音と感じているなら、まずは近隣住民に対する謝罪の意思を示しましょう。

    「自分の家での行動を制限されるのはおかしい」などと反論をしていると、近隣住民との関係が悪化してしまいます。

    騒音が発生するたびに警察官を呼ばれる、我慢できなくなった近隣住民から暴行を受けるといった事態になれば、その家に住み続けるのも難しくなるはずです。

  3. (3)過度な要求にまですべて応じる必要はない

    騒音については素直に謝罪して改善を試みるべきですが、社会通念・一般常識に照らせば、ある程度の生活騒音は受忍しあうものだといえます。

    「およそ一切の物音を立てるな」「迷惑料を支払え」といった無理な要求や根拠のない恐喝まがいの要求に応える必要はありません。

    過度な要求を受けた場合は、当事者間だけで話し合っても解決はしないでしょう。公平な立場の第三者を間に話し合い、お互いが譲り合える落としどころを探るのが賢明です。

    また、ひとたび不当な要求に応えてしまったら、二度、三度と要求がエスカレートするおそれもあります。

4、騒音トラブルに発展したら? 困ったときの相談先

周辺の住民と騒音トラブルに発展してしまった場合、誰に相談すれば解決を目指すことができるのでしょうか?

  1. (1)管理会社や管理組合

    共同住宅であれば、最初に、建物の管理会社や管理組合へ相談することをおすすめします。建物の特性や住民同士の関係性を深く知っていて、さらに公平な立場で話を聞いてくれると期待できるため、騒音トラブルの相談先としては適任です。

    もし、騒音が建物の設備・構造上の問題であれば、管理会社や管理組合を通じてオーナーに工事の必要性を訴えることで、根本的な解決も期待できるかもしれません。

  2. (2)警察

    相手から脅迫まがいの要求を受けたら、警察への相談も検討するべきです。昨今の混乱した情勢のなかでは、騒音トラブルを原因とした暴力事件などに発展する危険がないともいえません。

    事前に相談しておけば、110番通報をしてもスムーズに対応してくれると期待できます。

  3. (3)弁護士

    騒音トラブルを法的に解決したいなら、相談先は弁護士です。

    あなたの家庭から発する音が周辺住民にとって騒音にあたるのかの検証をもとに、過去に争われた騒音トラブルの違法性や法的状態を分析できます。

    法的な見解を得られれば、刑事責任・民事責任を負うべき立場にあたるのか、激しいクレームや過度の要求に対してどのように対応すべきか助言してもらえるでしょう。刑事事件に発展した場合のサポートや、相手から損害賠償を請求された際の対応も一任できます。

    「事件になって警察から取り調べを受けている」「相手に訴えられた」となった場合は、直ちに弁護士へ相談することをおすすめします。

5、まとめ

普段、何気なく生活しているだけでも、音が発生します。マンションやアパートなどの共同住宅や戸建てが密集している地域では、特にトラブルが発生しやすいでしょう。

もし、近隣の住民から騒音を訴えられてしまったり、逆に周辺住民の騒音にお困りであれば、ベリーベスト法律事務所 新宿オフィスにご相談ください。

周辺住民との交渉では、弁護士が代理人となって誠実かつ毅然と対応し、適切なトラブル解決を行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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